カレーは2日目が美味しい理由と、危険なウエルシュ菌の注意点!

1
「カレーは2日目が美味しい」よく聞く話ですよね。「そう言われればまあなんとなく1日目より2日目のカレーの方が美味しいような気もするけど、食べ比べた事もないし、にんじんが柔らかいとかじゃがいもが丸くなったとかしか分からない…まあ、カレーはいつ食べても美味しいよね、だってカレーだもん」正直、こんな感じじゃないですか?

でも、実はしっかり理由があるんです!そしてその理由を知っておけば、二日目の美味しいカレーを一日目から味わうワザもあるんです!でも二日目まで寝かす時には食中毒を起こさない為の注意点もあるので、こちらもしっかり知っておきましょう。

今回は、カレーが2日目の方が美味しい理由と、2日目までカレーを寝かせる際の注意点についてご紹介します。

Sponsord Link

カレーは2日目のほうが美味しい!美味しくなる理由は?

1日目のカレーより2日目のほうが美味しいように感じるのには、ちゃんと理由があります。イメージしやすい変化といえば、具材の歯ごたえや舌触りがまろやかになることでしょうか。
歯ごたえや舌触りが変化する理由として、お鍋の中ではこんなことが起こっています。

具材から旨みが溶け出す!ポイントは「再加熱」!

完成したばかりのカレーは、熱さはもちろんですが、ピリッとしていて辛味が強いです。具材も、火は通っているとはいえ、包丁で切った断面の角が取れていない、尖った感じですね。ここから粗熱を取って冷蔵庫で保管し、翌日冷蔵庫から取り出すと、お鍋の中の冷えたカレーはゼリーのように固まっています。この冷たくて固いカレー、混ぜてほぐすようにしながら再加熱しますよね。この再加熱の段階で、カレーは美味しくなっていきます。辛さより、まろやかさが前面に出てきます。そのまろやかさの理由が、具材に含まれる「旨み」です。

「旨み」って何のこと?

「グルタミン酸」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これはアミノ酸の一種で、タンパク質から作られるものです。「味の素」などのいわゆる「うま味調味料」と呼ばれるものは、このグルタミン酸から作られたものです。ちなみに、日本人が大好きな「だし」の美味しさも、このグルタミン酸によるものです。

肉や野菜などの具材に含まれるグルタミン酸や果糖などの糖分が加熱によって溶け出すと、カレールウの旨みが増します。また、一旦冷やされたカレーが再加熱されると、一度固まった脂肪分が乳化したり、具材が煮崩れをおこしたりすることで、さらに旨みが増すことになります。

実は2日目まで待たなくても美味しい!?

ここまで読んで気づいた、勘のいい方もいるかもしれませんね。

美味しさのポイントは「カレーを作る→冷やす→再加熱」

ということは、1日目に作ったカレーをその場で冷やして、またすぐ再加熱したら…?もちろん、美味しくなります!!大事なのは、保存時間の長さではなく、温度変化なんです。手間はかかりますが、ちゃんと美味しくなりますよ。

2

じゃがいものとろみが美味しさの決め手!

カレーに欠かせない野菜といえば、じゃがいもです。具材を柔らかく煮込もうとして小さく切りすぎたり十分に炒めずに煮込みすぎたりすると、にんじんは残りますが、じゃがいもやたまねぎは煮崩れして完全にルウの中に溶け込んでしまうこともあります。ですが、じゃがいもが溶け込んでいればいるほど、カレーにとろみが増している気がしませんか?

じゃがいもには、でんぷんが多く含まれています。でんぷんに水を加えて熱すると、とろとろやもちもちの状態になります(「糊化」といいます)。お米はそのままだと固いですが、水を加えて炊くと、ふっくらしてもちもちのごはんになりますよね。これもでんぷんのしわざです。この「水分を含んでもちもちになる」が、カレーの中のじゃがいもにも起こっています。
一度冷やして再加熱し、煮崩れしたじゃがいもが入っているカレーは、できたばかりのカレーに比べてとろとろした感じがしますよね。細かくくずれて分かれたでんぷんがそれぞれカレーの中の水分とくっついて、とろみを作っているからです。

とろみの性質を上手に利用!

これを利用して、最初からじゃがいもを崩した状態でカレーを作るためにじゃがいもをすりおろしてカレーに入れる方法もあります。また、このとろみの性質を逆手にとることもできます。

辛味が強くパンチのきいたカレーを作る場合には、じゃがいもを一緒にゆでずに別のお鍋でゆでておきます。あえてとろみをつけない方法でカレーを調理し、食べる時にはじゃがいもも一緒に盛り付けるという方法です。とろみが前面に出てこないぶん、カレー自体の辛さを楽しむことができます。とろみ加減を調節することで、様々なバリエーションのカレーが楽しめそうですね。

Sponsord Link

2日目のカレーの注意点!ウエルシュ菌に気をつけて!

2日目に残したくて多めにカレーを作る方もいれば、作りすぎて残ってしまったという方もいますよね。「1日目は美味しく食べたのに2日目にまた食べたらお腹を壊した」なんてことのないように、安全に保存したいものです。

煮込み料理の天敵!!ウエルシュ菌

食中毒の原因の1つに、「ウエルシュ菌」という菌があるのをご存知でしょうか。ウエルシュ菌は、土の中の根菜類や牛肉、鶏肉などの肉類が保有していることが多い菌です。

煮物や大鍋で調理する煮込み料理(カレーやシチューもこれに含まれます)の中で増えることが多く、そのせいもあってか、給食施設や旅館、仕出し屋など大量に調理して保存する機会の多い場所での食中毒発生が多いと言われています。

ウエルシュ菌による食中毒、どんな症状が起きる?

食中毒の症状としては、食事後から平均10時間後くらいの(通常6~18時間とされています)腹痛、下痢などの症状が見られます。発熱や嘔吐などはあまりみられず重症化することも少ないので、自覚なく感染していたということも今までにあるかもしれませんね。「辛いカレーを作って何日もかかって食べて、お腹をこわした。スパイス入れすぎたのかな?」という経験のある方、もしかしたら原因はスパイスの刺激ではなく、ウエルシュ菌だったかもしれません。

3

ウエルシュ菌は防げる!

ここまで読んで「ウエルシュ菌をちゃんと防げるか心配だからカレー作るの怖い」と思わせてしまっていたら、大変申し訳なく思います。ですが、正しい調理・保管方法をきちんと知っていれば、ウエルシュ菌は防げます。注意点をしっかり守って、美味しい二日目のカレーを楽しみましょう!

ウエルシュ菌は空気に弱い!

ウエルシュ菌は、自分たちが増えやすい場所をわかっています。ウエルシュ菌は、空気に触れる場所では増えることができません。空気に触れにくい、鍋底の部分で増えます。作りたてのカレーは、よく混ぜられているので菌も少なく、加熱によって死んでいます。生き残った一部の菌が空気に触れない状態になると、カレーの中で「芽胞」という菌の殻のようなものを作り、増えてしまいます。

ここからが重要です。保管の際、しっかり混ぜながら粗熱を取って、できれば小分けにして、早めに冷蔵庫に入れましょう。中途半端な温度の場所(常温の室内など)で放置されるのが一番危険です。再加熱の際も、できれば電子レンジではなく鍋に移して、よく混ぜながら温め直しましょう。

4

まとめ

我が家では必ず2日連続でカレーを食べます。2日目のカレーは華麗なる変身を遂げて(ちょっと言ってみたかっただけです)カレーうどんもしくはカレーリゾットになります。ウエルシュ菌について知ってからは、フライパンでカレーを作るようになりました。鍋に比べて浅いので混ぜやすく、粗熱をとる際も温度を下げやすく便利です。冷めたらそのまま冷蔵庫に入れることにしています。

カレーリゾットのあとはパンで鍋に残ったカレーとチーズをすくい取って食べてしまうので(奪い合いです)、洗い物もとても楽です。調理も楽ですし、2日目のカレーは最高ですね!
「カレー」もうこの言葉だけでお腹すきませんか?安全に美味しく、自分にとって一番おいしいカレーの調理法を探してみてくださいね。

カレーの食べ方マナー!ルーとライスが別々に出てきたらどうする?

米一合って何グラム?炊いた後のご飯は?どんな測り方がある?

生ごみには新聞紙で臭い対策!併用すると効果UPの対策5選!

Sponsord Link

  • このエントリーをはてなブックマークに追加