近年、子どもを持っても夫婦ともに正社員として働く、共働き世帯も増えてきました。女性も男性と同等に働けるようになり、現在では妻のほうが年収が高い、というケースも発生しています。そんな時考えなければいけないのが子どもの扶養について。収入や子どもの人数など、状況に合わせて対応することで税金対策になることもあります。今回は扶養のルールなどをご紹介します。少し複雑なのですが、自分の家庭ではどうするのが一番お得か考えてみましょう。
目次
共働きで子供の扶養を考える。「社会保険の扶養」と「税金の扶養」それぞれ知っておこう!
混乱しがちなのですが、社会保険上の扶養と税金上の扶養は別物です。税金の所轄は財務省で、健康保険の所轄は厚生労働省のため、異なる制度を持っています。共働き夫婦で子供の扶養を考えた時は特に混乱しがちで、少しわかりにくいものです。なので今回は、社会保険の扶養と税金の扶養、それぞれで説明していきます。働き方の状況によってお得になるものもありますので、しっかり考えていきましょう!「社会保険の扶養」
共働き夫婦で、夫婦どちらともがそれぞれ自分の健康保健証を持っている場合は、子どもは基本的には収入の多いほうの扶養に入ることになります。子どもが何人かいても夫の健康保健と妻の健康保健に分けて扶養に入れるということもできません。扶養と社会保険の仕組みって?
会社に勤めている人で「週30時間以上の勤務」だと社会保険(健康保険と厚生年金)に加入します。健康保険には扶養家族という考え方があり、その人の収入で養われている場合は健康保険に加入することができます。夫婦ともにフルタイムで働いている場合はそれぞれが所属の会社の健康保険に加入することになり、ともに扶養家族を持つことができます。ちなみに、自営業の人などが加入する国民健康保険には扶養という概念はありません。社会保険の基本ルール
健康保険では、夫婦共働きで子どもを扶養する場合には、子どもは世帯主の被扶養者になるというのが基本的なルールとなります。そのため子どもを扶養にする際には、夫婦の所得を証明できる書類を提出します。しかし夫のほうが収入が多くても実質的に妻の収入で家計をやりくりしている場合などは、妻の扶養にすることができることもあり、ある程度は柔軟に対応しているようです。各組合、けんぽや会社によって対応が違うので、詳細については確認が必要です。社会保険の種類
会社員が加入する社会保険には「協会けんぽ」と「健康保険組合」の2種類があります。「協会けんぽ」は、全国健康保険協会という団体が運営しています。「健康保険組合」は企業が自前で健保組合を設立したもので、大企業とその子会社が加入していることが多いです。健康保険組合は協会けんぽに比べて医療補助などの面で充実しているので、扶養に入れることを考えた時には夫婦の社会保険が「協会けんぽ」なのか「健康保険組合」なのか確認してみてください。結局はどちらの扶養に入れたほうが得なの?
世帯主であり、所得が多いほうの扶養に入るのが一般的です。ただし大手企業などで家族手当が充実していたり、前述した協会けんぽではなく健保組合だったりした場合はそちらのほうに入ったほうがお得なこともありますので、会社の規則などを確認してください。妻のほうの扶養に入れる場合は妻が世帯主となりますので、その点に抵抗がないか夫婦でよく相談しましょう。「税金の扶養」
「税金の扶養」は健康保険とは別の考え方になります。会社員の場合、年末控除の用紙(給与所得者の扶養控除等(異動)申告書)の扶養家族記入欄に子どもの名前を書くことで税金上での扶養になります。共働きでそれぞれが所得税を支払っていれば子どもはどちらの扶養に入れても大丈夫です。そのため、健康保健上は夫の扶養にして税金上の扶養は妻、ということも可能です。また子どもが複数いる場合は分けることもできますが、重複はできません。扶養控除について
2010年度の税制改正により、0〜15歳の子どもを扶養すると所得税と住民税が控除される「年少扶養控除」が廃止されました。そのため、16歳未満の子どもを扶養していても税金上変わりはなくなってしまいました。所得税は16歳~18歳の子どもの扶養控除は38万円、19歳~22歳の子どもの控除額は63万円になります。住民税では16歳~18 歳の子どもの扶養控除は33万円です。税金上の扶養はどちらがお得?
年少扶養控除が廃止されたため、16歳未満の子どもについては税金上の優遇はありません。けれど個人住民税には所得割という制度があります。所得割では年収が100万円以下の場合は非課税になります。扶養にしている人がいると、
「35万円×(1+扶養人数)+32万円」までの所得の人が、非課税になります。この場合の扶養は16歳未満の子どもも含めていいことになっています。
つまり、子育て世帯などで妻が仕事量をセーブしていて年収が低い場合は税金上は妻の扶養に入れると住民税が非課税になるというこです。具体的には1人を扶養にすると170万円以下の収入であれば非課税に、2人を扶養にすると221万円までの年収で非課税になります。
うちも数年後にはこのパターンになりそうなので、制度が変わらなければ税金上は子ども2人を私(妻)の扶養にいれようかと考えています。
まとめ
いかがでしたか?税金や制度の話は複雑で難しいですよね。けれど知っているとお得になることもたくさんあります。制度を上手に利用して、節約していきましょう。⇒共働き女性の小遣いはみんなどうしてる?夫婦のバランスは?
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