唾液の働きというのは、何となく消化の助けをしているくらいの知識は持っている人も多いでしょう。ですがしっかり説明して、と言われるとちょっと自信が無いのではないでしょうか?この唾液の働きについてはよく中学生の理科の授業やテストでも出てくる問題で、子供や親戚に急に聞かれたりするものです。そんな時かっこ悪いところ見せたくないですよね。
そこで今回は、唾液の消化酵素アミラーゼについて、どのような働きをしているのか説明しましょう。
唾液の消化酵素アミラーゼって何
それではいくらかかみ砕いて、アミラーゼやその周りの物質の効果について説明します。アミラーゼの働きは?
まずアミラーゼという消化酵素は唾液に含まれていて、でんぷんを麦芽糖に分解する力があります。このアミラーゼは膵臓から出てくる膵液にも含まれていて十二指腸内にも存在しているのです。唾液で麦芽糖になりきれなかったでんぷんは十二指腸にある膵液で完全に麦芽糖に分解されることになります。
ここまでをわかりやすく言うとアミラーゼはでんぷんを麦芽糖に分解すると覚えてください。
アミラーゼの後はマルターゼの出番!
麦芽糖は小腸から出ている消化酵素マルターゼによってブドウ糖に分解されます。このブドウ糖は小腸から体に取り込まれて肝臓まで運ばれます。するとこの肝臓で一部はグリコーゲンという形になって蓄えられるようになって、残りのブドウ糖は体全体に送られて身体を動かすエネルギー源となるのです。
分かりやすく箇条書きで書くと下記のようになります。
・唾液には消化酵素アミラーゼが含まれている
・でんぷんが運び込まれると唾液に含まれたそのアミラーゼによって麦芽糖に分解する(残ったものは十二指腸で膵液内のアミラーゼで分解させる)
・その麦芽糖が小腸に到達するとマルターゼによってブドウ糖に分解する
・ブドウ糖が小腸で吸収されて肝臓に運ばれて一部はグリコーゲンとして蓄積する
・ブドウ糖が全身へ運ばれるようになる
消化酵素について簡単に知っておこう!
アミラーゼという消化酵素については説明しましたが体の中にはそれ以外の消化酵素が存在しています。3種類の消化酵素で食べ物を消化!
まず消化酵素には大きく分けて「タンパク質分解酵素」「炭水化物分解酵素」「脂質分解酵素」の3つの酵素があって、それらが唾液や膵液、胃液、腸などの器官に存在して食べ物を様々エネルギーに分解していきます。
これらの消化酵素はおおざっぱに言うと「食べ物を分解してエネルギーにする酵素」だと思っていただければいいでしょう。
こんなにたくさんの消化酵素が働いている!
各器官においてどのような消化酵素が分泌されているかというと唾液は炭水化物分解酵素の「アミラーゼ」、胃液はタンパク質分解酵素の「ペプシン」、膵液は「アミラーゼ」とタンパク質分解酵素の「トリプシン」と脂肪分解酵素の「リパーゼ」、腸は炭水化物分解酵素の「スクラーゼ」と「マルターゼ」やタンパク質分解酵素の「アミノペプチダーゼ」になっています。
この中で人間が意識して分泌できるのは唾液に含まれるアミラーゼだけ、よく噛んで食べるということは唾液の分泌を促すために科学的な意味があると言えるでしょうね。
消化酵素って不足する事ってあるの?
消化酵素が不足することはあります。具体的にどのようなことをすると酵素不足になりやすいかというと…・噛む回数が少ない
・デスクワークなどの姿勢が固定される仕事をしている
・タバコを吸う
・暴飲暴食が多い
・甘いものや脂っこいものが好き
・ストレスを解消できていない
・夜更かしが多い
・ストレスが溜まる環境にいる
・極端なダイエットをしている
・運動をしない
またストレスは様々な病気の原因になりますが、酵素不足の原因にもなってしまうので自分にあったストレス解消法を見つけてストレスを溜めないようにする必要があります。
これらの酵素不足が発生しやすい生活をおくっていると、血液の流れが悪くなってしまうので成人病になる確率が上がり、消化酵素も不足して胃腸の調子も常に悪くなってしまいます。
まとめ
今回は唾液の消化酵素アミラーゼについて、どのような働きをしているのか説明してみました。アミラーゼはでんぷんを分解して麦芽糖にして、この麦芽糖は小腸でブドウ糖に分解して体全体に運ばれてエネルギーのもとになるということでした。そして消化酵素には「タンパク質分解酵素」「炭水化物分解酵素」「脂質分解酵素」とあって「食べ物を分解してエネルギーにする効果」があるということです。
また、消化酵素を含む酵素は生活習慣が乱れていると不足することがあり、不足することで成人病になりやすくなり胃腸の調子も悪くなりやすくなるということも忘れないようにしておきたいですね。
酵素不足にならないためにも生活習慣には気を付けて健康的な毎日を過ごすようにしましょう!
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